社会保険料の基となる標準報酬月額について
2024/06/17
社会保険料(健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料)の基となる『標準報酬月額』を決めるために、
【定時決定と随時決定】の2つの方法があることをご存知でしょうか?
そもそも、標準報酬月額とは、社会保険に加入している被保険者の1カ月の給与が金額ごとに等級で区分けされており、その等級によって社会保険料が決まっています。
(健康保険・介護保険では50等級、厚生年金は32等級に区分けされています)
標準報酬月額は一度決まるとずっと同じではなく、給与は昇給や残業などにより毎月同額とは限らないため、【定時決定・随時決定】の方法によって見直しを行っています。
以下で詳しく解説いたします。
◆定時決定
毎年4月・5月・6月に支払う給与を基に、実際の報酬と大きな差が生じないよう、年に1回、原則すべての被保険者について標準報酬月額の見直しを行います。
これを『定時決定』と言います。
〈定時決定の対象・対象外〉
〔対象〕
・7月1日現在、被保険者であること
〔対象外〕
・6月1日~7月1日までに被保険者資格を取得した人
・6月30日までに退職した人
・随時決定(このあと解説いたします)または育児休業などを終了した際の改定により、7月~9月に標準報酬月額の変更が予定されている人
〈対象となる条件〉
・給与の支払いの基礎となる日(支払基礎日数)が3カ月すべて17日以上となり、
4月~6月で支払われた給与の合計額の平均したものが標準報酬月額になります。
・支払基礎日数が17日未満の月があるとき
17日未満の月を除いて平均したものが標準報酬月額になります。
・3カ月すべて17日未満のとき
日本年金機構(年金事務所)や健康保険組合が標準報酬月額を決定します。
※補足※
パート・アルバイトなどの短時間勤務の場合は、支払基礎日数=出勤日数となります。有給休暇分も支払基礎日数に含まれます。
また、3カ月とも支払基礎日数が17日未満の場合は、15日以上の月の給与平均額で決定します。
〈報酬となるもの〉
・基本給・残業手当・家族手当・通勤手当(※1)・年4回以上支払った賞与(※2)など
・現物支給(食事・被服・社宅・通勤定期券など)
※1:通勤手当として、3カ月や6カ月ごとに定期代を支給しているときは、月で割って1カ月分の金額を4月・5月・6月にそれぞれ加算します。
※2:7月1日前の1年間に支払った賞与が4回以上ある時は、賞与総額の12分の1を4月・5月・6月の給与にそれぞれ加算します。
〈報酬とならないもの〉
・出張旅費・慶弔見舞金・傷病手当金・賞与や決算手当で支払い回数が3回以下のもの
〈定時決定の有効期間〉
その年の9月~翌年8月までの1年間適用されます。
(社会保険料を翌月に控除している場合は、10月支給の給与より控除となります)
◆随時決定
給与月額に著しく変動があった場合、年度の途中で標準報酬月額を改定する手続きが行われます。これを『随時決定』と言います。
〈対象となる条件〉
・固定的賃金が変動
基本給・家族手当・通勤手当などに変動があった場合を言います。
・昇給または降給によって算定した給与による標準報酬月額の等級と、現時点の等級との間に2等級以上の差がある
・固定的賃金に変動があった月から継続して3カ月間の支払基礎日数が17日以上ある
〈対象とならない場合〉
・休職により、休職給を受けている人
・固定的賃金は増加したが、残業手当等の非固定的賃金が減少したことで、2等級以上の差が生じている人
・固定的賃金は減少したが、非固定的賃金が増加したことで、2等級以上の差が生じている人
〈随時決定の有効期間〉
1月~6月までの間に改定されたものは、原則としてその年の8月まで適用されます。
一方、7月~12月までの間に改定されたものは、原則として翌年の8月まで適用となります。
※補足※
産前産後休業・育児休業等を終了した際の改定
復職後に短時間勤務などで給与月額が下がった場合には、随時改定の条件に該当しなくても、標準報酬月額が改定されます。
なお、有効期間は随時決定時と同様となります。
4月は年を通して給与変動が大きい月となります。
手取額が一時的に増減となっても、きちんと毎年見直しがおこなわれること、また随時見直しをおこなうことで、適切な社会保険料が控除されます。
また、従業員の将来の年金額にも影響を与えるため、給与の変動には注意を向け、しっかりと管理を行いましょう。
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