年末調整Q&A
1年で最も忙しいと言っても過言ではない年末調整の時期が近づいてまいりましたね。皆様も、ご自身の年末調整の書類を作成していることかと思います。年末調整は税理士業務ではありますが、給与計算をしている会社でも書類の取りまとめを行ったり従業員の方などから年末調整について質問を受けたりしているのではないでしょうか。
そこで今回は、実際にお客様から寄せられた質問をピックアップしていくつかご紹介をしていきたいと思います。
理解しているようでしていなかった、そういえばこんな時はどうなるのか等、他の方の質問をみてなるほどと思うことがたくさんあります。
是非、この機会に確認をしてみてください。
Q1:アルバイトの方も年末調整はするのでしょうか?
A1:年末調整の対象は、原則年末まで勤務している全ての従業員です。そのため、アルバイトの方も年末調整をします。
Q2:生命保険控除証明書の契約者が妻名義になっているが、年末調整で控除できますか?
A2:生命保険料等は名義人ではなく、実際に保険料を支払った方が控除を受けられるためご本人がお支払いをしているのであれば保険料控除を受けることができます。
Q3:社会保険料の控除について。国民健康保険の支払いをしていますが、証明書の添付は必要でしょうか?
A3:証明書の添付は必要ありません。R4年中に支払った金額がわかれば控除できますので支払いした合計額等メモ書きを添付していただければ大丈夫です。
Q4:前職の源泉徴収票が手元にありません。年末調整はできますでしょうか?
A4:1年間の給与総額が不明の場合は年末調整ができませんので、前職の源泉徴収票は提出必須となります。前の会社へ源泉徴収票の再発行を依頼してください。年末調整までに間に合わない場合は、ご自身で確定申告をしていただくことになります。
Q5:基礎控除申告書について。
現在本人と配偶者が別居している場合、「非居住者である配偶者」欄には〇を記載すると思われます。この場合、親族関係書類はどういったものが該当しますでしょうか。
また、「生計を一にする事実」欄には送金額を記載すればよろしいのでしょうか。
送金関係書類として添付するのは本人及び配偶者の通帳の写しが必要でしょうか。
A5:
非居住者とは、国内に住所を有さず、海外に1年以上住所を有するような場合を指しますので、今回のケースは非居住者である配偶者に該当いたしません。
ですので、該当箇所は空欄で問題ございません。
なお、親族関係書類とは、外国籍の労働者が、自国に住んでいる扶養者等の親族を証明する場合に提出をお願いする書類となります。
※外国政府が発行した、戸籍、バスポート、婚姻証明書など
今回のケースでは、送金関係書類は不要です。
また、通常生活に必要な生活費・教育費の仕送りについては、配偶者の収入から除いて問題ありません。仕送り額を除いた配偶者の収入・所得をご記入してください。
Q6:育児休業給付金は年収に含めて記載するのでしょうか?
A6:非課税のため年収には含めません。
Q7:年金の介護保険料は社会保険料控除として申告できますか?
A7:年金から引かれている介護保険料は年末調整の社会保険料として申告できます。
ただし、扶養している奥様の年金から引かれている介護保険料は対象外となります。
年金から引かれておらず別で支払いをしている場合は、社会保険料として申告可です。
Q8:医療費控除は年末調整で控除することができますか?
A8:年末調整では控除できません。ご自身で確定申告をお願いします。
Q9:離婚をしてシングルマザーになった場合は、寡婦控除にあたりますか?
A9:ひとり親控除になります。寡婦控除とひとり親控除の違いについては以下の通りです。
質問の場合、どちらにも当てはまるように思いますがひとり親控除が優先されて適用となります。
|
ひとり親控除 |
寡婦控除 |
結婚歴 |
現に婚姻関係がないこと |
夫と離婚し、現に婚姻関係がないこと |
性別 |
男女問わない |
女性のみ |
扶養 |
生計を一にする子がいること (総所得金額等48万以下の子) |
扶養親族がいること |
所得 |
合計所得金額500万以下 |
合計所得金額500万以下 |
控除額 |
35万円 |
27万円 |
いくつかご紹介をしましたが、国税庁のHPにも「年末調整Q&A」が掲載されておりました。リンクを添付いたしますので参考にしてみてください。
現在もまだコロナ感染者数が落ち着かず油断のできない状況ではありますが、体調に気を付けてこの繁忙期を乗り切りましょう。
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