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知っていますか?給与の差押え

   

給与計算業務の委託を受けるといろいろな事案に遭遇するものですが、そのうちのひとつに「従業員の給与の差押え」というものがあります。

従業員が税金等を滞納し督促にも応じない場合、勤務先に「債権差押通知書」が届くことがあります。いわゆる強制執行による給与の差押え通知です。これを初めて見た経営者様はたいてい驚いて、「どうしたらいいのか」と我々に相談が来ることが多いです。

 

 

中でもよく相談を受けるのは「住民税」と「国民健康保険料(税)」の滞納によるものです。

住民税や健康保険料などを滞納すると、最終的に強制執行による財産の差押えが行われることになります。この財産というのは、不動産や自動車、生命保険なども含まれますが、差押えの対象となるのは預貯金や、今回お話しする給与のケースが多いと思います。

 

 

では、実際に給与の差押えが起きた場合、会社はどのような対応をすべきなのでしょうか。

給与が差押えられた場合、会社は従業員が滞納した税金を給与から天引きし、会社が代わりに債権者(自治体等)へ支払い義務を負う必要がでてきます。これは従業員本人が退職しない限り、滞納が解消されるまで続きます。つまり会社にとっては余分な手間が増えることになります。

 

次に、差押え金額についてみていきましょう。

差押えできる給与の範囲は決まっており、住民税などの税金滞納による強制執行では、以下の計算式で出された金額が差押えられます。

A=(給与総支給額)-(所得税+住民税+社会保険料)-10万円-(4.5万円×同一生計家族の人数)

A-(A×20%)が差し押えられる最大の金額になります。

仮に総支給額が30万で、配偶者がいる場合であてはめてみると、

 

総支給額 300,000円

・所得税8,000、住民税12,000円、社会保険料45,000円

・生計を一にする家族1名×45,000円+100,000円→合計145,000円

(A-B)×20% 

 =18,000円

 

差押え可能額  (A-B-C) 72,000円

 

給与については、生活に支障が出ないよう、額面給与(A)から差押え禁止額(BとC)を引いた金額が差押えられます。とはいえ、これだけの額を毎月強制的に引かれてしまうと、生活に打撃を与えることは間違いないでしょう。

さらに税金の滞納の場合は、自己破産しても免責されず、引っ越してもどこまでも追いかけてくるので、基本的に逃げることができません。

 

 

そこで行政は滞納を防ぐために、給与支払者に対し、従業員の個人住民税を給与から特別徴収することを義務付けています。住民税には特別徴収以外に、普通徴収という納税方法もあります。

普通徴収は給与所得者ではない人に対し、住所地に納付書が送られてきて、4回または一括で納付する方法です。特別徴収は原則12回に分けて徴収・納付する制度なため、普通徴収にくらべ一回あたりの負担が減ることになります。

 

また特別徴収は会社が従業員の毎月の給与から個々人の住民税を控除し、本人に代わって納付する制度なので、支払い忘れなどによる滞納を防ぐことができます。

 

 

ただし給与からの住民税控除は、従業員ごとに金額が違うため、給与計算実務では少々手間のかかる作業のひとつです。

控除額を間違えたり、控除自体が漏れてしまうなどの理由で、会社が納付金額を誤ってしまうと会社宛に督促状がくることになり、最悪の場合、会社が延滞金を支払う可能性すら出てくるため、ミスは許されません。

また、従業員の入退社があると、都度住民税の異動届を自治体に提出する必要があります。

 

このように、住民税は給与計算上はずせない控除項目ですが、付随する業務は意外と多く、ミスも許されない業務であること、管理が煩雑なことがおわかりいただけたかと思います。

 

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