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給与計算における端数処理の方法と注意点

   

 

 

今回の記事では給与計算で認められている端数処理の方法と端数処理に関連する注意点を紹介します。

 

 

端数の切り捨てはできない

労働基準法24条では、賃金は労働者にその全額を支払わなければならない旨が定められています。

 

そのため、端数についても原則として、切り捨てて計算することは法令に違反する行為とみなされます。

 

一方、端数の切り上げについては、労働者に有利なため問題ありません。

 

また、アルバイトなど時給で給与を計算する場合、1分単位で計算しなければならず、たとえば41分の時間外労働が発生した場合、40分として1分切り捨てて計算することはできません。

 

 

給与計算の端数処理が認められる例

給与計算の端数処理が認められる例として3つ紹介します。

 

  • ①割増賃金の端数処理

割増賃金計算における端数処理については、行政通達(昭和63.3.14基発150号)によると、次のAまたはBの処理が認められています。

 

A:1時間当たりの賃金額及び割増賃金額に円未満の端数が生じた場合、50銭未満の端数を切捨て、それ以上を1円に切り上げること。

B:1ヶ月における時間外労働、休日労働、深夜業の各々の割増賃金の総額に1円未満の端数が生じた場合、50銭未満の端数を切捨て、それ以上を1円に切り上げること。

 

例として、時給換算で1,550円の従業員が時間外労働を行ったケースでは、1か月分の割増賃金はAとBでは次の通りです。

 

例1:1時間当たりの割増賃金額を算出し、端数を処理したうえで1か月分の割増賃金の総額を計算する方法

1,550円× 1.25 =1,937.5円=1,938円 (端数処理)

1か月分の割増賃金 =1,938円 × 7時間(1か月の時間外労働時間) = 13,566円

 

例2:1か月分の割増賃金の総額についても端数処理を行う方法

1,550円 × 1.25 =1,937.5円=1,938円 (端数処理)

1か月分の割増賃金 =1,938円 × 7.3時間(1か月の時間外労働時間)= 14,147.4円

= 14,148円(端数処理)

 

 

  • ②1か月分の時間外労働時間の端数処理

1か月分の時間外労働時間については、次のような端数の処理方法が認められています。

 

・1ヶ月における時間外労働、休日労働及び深夜業の各々の時間数の合計に1時間未満の端数がある場合に、30分未満の端数を切捨て、それ以上を1時間に切り上げること。

 

労働時間の端数処理は、時間外労働、休日労働、深夜労働などについて、それぞれ個別に行うことができます。

 

例えば、次のようにそれぞれ端数処理することができます。

1か月の時間外労働が6時間17分 → 6時間

1か月の休日労働が3時間20分 → 3時間

1か月の深夜労働が2時間50分 → 3時間

 

労働時間について端数を処理することが認められるのは、1か月分の労働時間の合計についてのみであり、1日の残業時間について端数処理は認められていないので注意が必要です。

 

 

  • ③1か月分の賃金の端数処理

1か月分の賃金に対する端数処理としては、次のCまたはDの方法が認められます。

 

C:1か月の賃金支払額(賃金の一部を控除して支払う場合には控除した額。以下同じ。)に100円未満の端数が生じた場合、50円未満の端数を切り捨て、それ以上を100円に切り上げて支払うこと。

 

D:1か月の賃金支払額に生じた1,000円未満の端数を翌月の賃金支払日に繰り越して支払うこと。

 

例えば、1か月分の賃金が301,808円の場合、支給額としては次の3つの方法については認められることとなります。

 

・端数処理を行わず、301,808円を支給する

・50円未満を切り捨てて、301,800円を支給する

・1,000円未満の808円を来月に繰り越して、301,000円を支給する

 

端数処理の方法については、あらかじめ就業規則に規定しておく必要があります。

 

 

 

 

 

 

 

給与計算の端数処理に関する注意点

・会社独自のルールを作る際の注意点

端数処理について、法律で定められたルールを遵守していればそれ以外の部分について、会社で独自にルールを作ることは問題ありません。

 

ですが、賃金に関する事項は就業規則に必ず記載しなければならない絶対的記載事項のため、就業規則へ明確に記載しましょう。

 

端数処理の規定等の会社独自のルールについて、従業員との間で認識の違いによるトラブルが起きないように注意が必要です。

 

給与計算の端数処理については正確に就業規則へ明記し、従業員がいつでも確認できるように周知する必要があります。

 

・遅刻や早退を理由に控除する場合の注意点

遅刻や早退、欠勤などで実際に労働をしていない時間について、会社はその時間分の賃金を支払う義務はありませんが、遅刻や早退についても1分単位で処理する必要があります。

 

仮に、5分遅刻しただけで30分の賃金をカットするなど、実際に労働していた時間(25分)の分まで賃金をカットすることは、通常の給与計算処理としては賃金全額払いの違反となるので注意が必要です。

 

・減給に関する注意点

また、減給に関して、労働基準法91条では制裁規定の制限について定められており、この減給の制裁の範囲内で減給行う場合は、賃金全額払いに違反しないとされています。

 

参考:労働基準法第91条(制裁規定の制限)

「就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。」

 

減給の制裁に基づいて処理を行う場合には、それらの根拠である勤怠の記録や、就業規則の記載と処分の合理性などを十分に検討する必要があります。

 

 

まとめ

今回は、給与計算で認められている端数処理の方法と端数処理に関連する注意点について解説しました。

 

給与計算には、労働基準法などの法令でルールが数多く定められており、どれか1つでも見落としていると、思わぬ計算ミスにつながる可能性があります。

 

端数処理については、認められている端数処理の方法を正しく理解し、就業規則の内容も確認した上で正しく給与計算を進めましょう。

 

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