「建設国保」とは? 給与計算担当者が知っておきたいポイントと注意点
株式会社Aimペイロールエージェンシーです!
建設国保について、
「社会保険は未加入?」「保険料の控除はどうするの?」「届出は必要?」など、
疑問を抱きやすい制度でもあります。
今回は、建設国保の概要と、給与担当者が知っておきたいポイントをわかりやすく解説します。
【目次】
1.建設国保とは?
2.社会保険(健康保険・厚生年金)との違い
3.建設国保の保険料
4.まとめ
一般の企業で加入する健康保険と異なり、建設業特有の「建設国保(建設国民健康保険)」に
加入している従業員がいる場合、給与計算上で注意すべきポイントがいくつかあります。
1.建設国保とは?
「建設国保(建設国民健康保険)」は、
建設業に従事する人が加入できる、業種別の国民健康保険組合です。
2.社会保険(健康保険・厚生年金)との違い
項目 |
一般の社会保険 |
建設国保 |
市町村の国民健康保険 |
加入先 |
協会けんぽ、健保組合など |
各地域の建設国保組合 |
各市区町村 |
加入対象 |
原則、法人の役員・従業員 |
建設業従事者、家族従業者、一人親方等 |
全業種の自営業・無職者など |
保険料の負担 |
会社と従業員で折半 |
全額自己負担(ただし会社が一部補助するケースあり) |
所得に応じた「所得割+均等割」 |
届出義務 |
健保・年金の届出あり |
基本的に本人と建設国保で完結(会社の届出不要) |
国民健康保険担当課へ届け出が必要 |
3.建設国保の保険料
建設国保の保険料は「組合ごとに異なり」「加入人数(世帯構成)に応じて」変化します。
ここでは、代表的な建設国保組合の保険料目安や、計算方法、加入人数別の料金を例としてまとめました。
全国建設工事業国民健康保険組合のHPより
保険料の計算方法
建設国保の保険料は「基本保険料+被保険者数に応じた追加料」で構成されており、加入人数に比例して金額が上がる仕組みです。
加入形態 |
月額保険料(目安) |
年間合計(概算) |
一人親方(本人のみ) |
約2万円 |
約24万円 |
本人+配偶者 |
約3万円 |
約36万円 |
本人+配偶者+子2人 |
約5万円 |
約60万円 |
※保険料はあくまで目安です。
株式会社などの法人事業所や常時5人以上の従業員を雇用している個人事業所については、
健康保険(協会けんぽなどの被用者保険)と厚生年金に同時加入することが義務づけられています。
ただし、一人親方等の例外ケースで、すでに建設国保に加入している被保険者については
事実発生日から14日以内に日本年金機構に手続きを行い、
「健康保険適用除外」の承認を受けることで引き続き建設国保に加入することできます。
その場合は厚生年金保険のみ適用され、「建設国保+厚生年金」という組み合わせも可能となります。
4.まとめ
建設国保は特殊な制度でありながら、給与計算上で関わる場面が意外と多い制度です。
社会保険とは別物と理解しつつも、
40歳到達時には介護保険料を控除する等、実態に即した判断と対応が求められます。
一度、社労士に確認するか、給与計算をアウトソーシングすることをおすすめします。
実務上のリスク回避のためにも、正しい知識を押さえておきましょう。
Aimペイロールエージェンシーでは、企業の給与計算代行、WEB明細化、
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