変形労働時間制の種類
前回は、変形労働時間制のメリット・デメリットをお伝えいたしました。
会社の業務形態に応じた変形労働時間制度の基本的な考え方が該当する種類は、主に4つあります。
- 1カ月単位の変形労働時間制
- 1年単位の変形労働時間制
- 1週間単位の非定型的変形労働時間制
- フレックスタイム制
今回は、上記の4つを詳しく解説いたします。
- 【①1カ月単位の変形労働時間制】
◆1日8時間、週40時間の上限を取り払う代わりに、1カ月内で1週間ごとの平均労働時間を40時間に収める制度をいいます。
この制度により、特定の日に8時間を超えたり、特定の週に40時間(特例措置対象事業場は44時間)を超えたりすることが可能になります。
◆導入にあたり、原則として「労使協定の締結・届出」もしくは「就業規則への規定・届出」が必要です。(※)
ただし、従業員数10名未満で労働基準法上就業規則の作成・届出義務のない事業場では、原則通り「労使協定の締結・届出」の他「就業規則に準ずる書面への規定・周知徹底」によっても対応が可能です。
※労使協定により採用した場合には、あわせて就業規則などで、各労働日の労働時間をあらかじめ具体的に定める必要があります。
◆1カ月の場合の上限時間は以下とする必要があります。
◆時間外労働の考え方
・1日8時間を超えた時間を定めた日はその時間、それ以外の日は8時間を超えて労働した時間になります。
・1週間は40時間(または44時間)を超える時間を定めた週はその時間、それ以外の週は40時間(または44時間)を超えて労働した時間になります。
・対象期間における法定労働時間の総枠を超えて労働した場合は時間外労働となります。
- 【②1年単位の変形労働時間制】
◆法定労働時間を1カ月を超える1年内の労働時間を平均し、1週間あたりの労働時間が40時間(または44時間)を超えないことを条件に、労働時間の配分を行う制度をいいます。
◆導入にあたり、労使協定を締結し、所轄の労働基準監督署長に届け出ることが必要です。
◆対象期間における労働日数の限度は1年当たり280日です。
3カ月を超えて1年未満の場合は、280日×(対象期間の暦日数÷365)で計算した日数が限度となります。
3カ月未満の場合は上限の制限がありません。
また、労働時間の上限は1日・1週と以下のように定められています。
・1日:10時間
・1週:52時間
◆時間外労働の考え方
・労使協定で1日8時間を超えた時間を定めた日はその時間、それ以外の日は8時間を超えて労働した時間になります。
・1週間は40時間(または44時間)を超える時間を定めた週はその時間、それ以外の週は40時間(または44時間)を超えて労働した時間になります。
・対象期間における法定労働時間の総枠を超えて労働した場合は時間外労働となります。
- 【③1週間単位の非定型的変形労働時間制】
◆1週間単位の非定型的変形労働時間制とは、規模30人未満の小売業、旅館、料理・飲食店の事業において、 労使協定により、1週間単位で毎日の労働時間を弾力的に定めることができる制度です。
◆導入にあたり、労使協定を締結し、所轄の労働基準監督署長に届け出ることが必要です。
◆1日の労働時間の上限は10時間です。
◆時間外労働の考え方
・労使協定で1日8時間を超えた時間を定めた日はその時間、それ以外の日は8時間を超えて労働した時間になります。
【④フレックスタイム制】
◆フレックスタイム制とは、一定の期間についてあらかじめ定めた総労働時間の範囲内で、労働者が日々の始業・就業・労働時間を自ら決めることができる制度をいいます。
◆導入にあたり、就業規則等への規定と労使協定の締結が必要です。
◆1カ月の法定労働時間は以下の通りに定められています。
◆時間外労働の考え方
・清算期間における実際の労働時間のうち、清算期間における法定労働時間の総枠を超えた時間数が時間外労働となります。
まとめ
4つの変形労働時間制とフレックスタイム制どちらを導入することになった場合でも、しっかりとした勤怠管理が不可欠となります。
また、勤務カレンダーや残業代の計算などもそれぞれのパターンで区別することも必要です。
業務の実態に合わせて、適切な勤怠管理を行っていきましょう。
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