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今年は労災保険料率が変更

   

 

日本の社会保険には、「健康保険」と「年金保険」および「介護保険」、「雇用保険」と「労災保険」の5種類があります。このうち、「雇用保険」と「労災保険」の2種類を「労働保険」と呼んでいます。

「労働保険」のうち、「労災保険」の正式名称は「労働者災害補償保険」といいます。

ここでは、今年労災保険料率が変更となる、労災保険について、詳しく解説いたします。

 

■労災保険とは

労働者(※)が業務上の事由又は通勤によって負傷したり、病気に見舞われたり、あるいは不幸にも死亡された場合に被災労働者や遺族を保護するために必要な保険給付を行うものです。

また、労働者の社会復帰等を図るための事業も行っています。

※労働者とは?

職業の種類にかかわらず、事業に使用される者で、労働の対価としての賃金が支払われる者のことをいいます。(厚労省HPより抜粋)

 

労災保険は、事業主が1人でも労働者を雇用した場合に加入が義務付けられており、保険料は事業主の全額負担となります。

※雇用形態にかかわらず、すべての労働者が保険の適用になります。(パート・アルバイトも含みます)

 

事業主は、保険料を年度ごと(4月~3月分)に算出して取りまとめ、管轄の労働基準監督署に納付しなければなりません。

また、労災保険の保険料率は3年ごとに見直され、今年(令和6年度)は料率が変更となります。

※労災保険料率は、事業の種類の分類および事業の種類によって分かれています。

 

 

労災保険料の使用用途とは?

事業主が全額負担で納めた労災保険料は、主に何に使用されているのでしょうか。

 

  • 労災保険給付等

労働者が仕事(業務)や通勤が原因で負傷した場合、また、病気になった場合や亡くなった場合に、被災労働者やご遺族を保護するために必要な給付を行っています。

 

  • 社会復帰促進等事業

被災した労働者の円滑な社会復帰の促進や被災労働者とその遺族の援護を図るために、

以下3つの事業を行い、必要性や効率性などを徹底的にチェックし、毎年見直しを行っています。

 

・社会復帰促進事業

 義肢、車いすなどの購入、せき髄損傷などの後遺障害に対するアフターケア

・被災労働者等援護事業

 被災労働者の遺児などへの学資支援、労災特別介護施設の運営

・安全衛生確保等事業

 アスベスト等による健康障害防止対策、長時間労働、メンタルヘルス対策、倒産した

 企業の労働者に未払賃金を立替払する事業

 

  • その他

 労災保険給付や労災保険料の徴収を行うための業務に必要な人件費、事務費、労災保険料の精算返還金などに支出しています。

 

  • 翌年度への繰り越し

労災保険給付費や収納済みの保険料で翌年度に係る分などを繰り越ししています。

 

 

労災保険料の納付時期(年度更新)

労災保険料と雇用保険料(労働保険)は、概算の保険料を計算して、申告納付します。

翌年度の初めに前年度の保険料を確定して概算で納めていた保険料と精算し、合わせて翌年度の概算の保険料を申告納付することになっています。

 

納付時期は、原則1年に1回、毎年6月1日~7月10日までに精算し、毎年繰り返し申告納付を行います。

これを『年度更新』といいます。

 

〈注意〉

・年度更新の手続きが遅れると、延滞金が発生する可能性があります。

 

 

まとめ

労災は滅多に発生しませんが、いざという時に補償できる体制を整える前提として、労災保険への加入、期間内の申告納付が大切です。

労災保険の理解を深めて正しい手続きを行いましょう。

 

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