アルバイトの給与計算
昨今、多様な働き方が許容される世の中になり、正社員以外にパートやアルバイトを雇っているという会社様もあるでしょう。
そもそもアルバイト(パート)とはどういう従業員のことをいうのでしょうか。
実は、アルバイトとパートは法律上明確な定義の違いはありません。どちらも「正社員に比べて短時間で働く従業員」という意味では同じカテゴリになります。極端にいうと、雇っている側が短時間労働の社員を「アルバイト」と呼ぶか「パート」と呼ぶか、の違いだけです。
また一般的に、正社員が月給であることに対し、アルバイト・パートの給与形態は「時給」であることが多いのも共通の特徴です。
そこで、今回は時給で働くアルバイトの給与計算についてポイントや注意事項とあわせて説明していきたいと思います。
アルバイトの給与計算も、基本は正社員同様、就業規則などの社内規定、タイムカードなどの勤怠情報を確認しながら進めることになります。アルバイトは正社員同様、会社と雇用契約を結んだ労働者なので、労働法令が適用されることに違いはありません。当然、時間外労働や休日労働、深夜労働をさせた際は、アルバイトに対しても社員と同じように割増賃金を支払う必要があります。また労働時間は原則1分単位としなければならず、本来は10分単位や15分単位などでアルバイトの給与計算を行うことはできないことになっています。
それでは、実際のアルバイトの給与計算時の必須確認事項を見ていきましょう。
多くのアルバイトの給与は、時給で計算されます。働いた時間に時給をかけるだけで簡単に計算できると考えられがちですが、実際は必要事項を確認しながらの計算となります。アルバイトの給与を計算する際に確認しなければならない情報は、次の3点です。
その1 就業規則(賃金規程)
就業規則は、会社と従業員が守る規律や労働条件などのルールを定めたものです。給与計算も原則就業規則にしたがって行う必要があります。小規模の会社などで就業規則を作成していない場合でも、賃金計算のルールを明文化しておくことが大事です。
時給者の給与計算をする際には、特に下記点を重点的に確認しておくことが重要です。
・始業、就業時間(労働時間)や休憩、休日の取り扱いに関する規定
・賃金の取り扱いに関する規定
・減給をする場合などの、賞罰に関する規定
・休暇取得があった際の賃金計算方法
その2 勤怠管理、個人情報の確認
アルバイトの勤務状況がわからなければ給与計算はできません。タイムカードや勤務実績表・シフト表といった、出勤日・勤務時間を記した情報が必要になります。
また、源泉所得税の徴収においては、アルバイト従業員の働き方やで家族状況を把握しておく必要があり、他にメインの勤務先があるのかどうか、扶養家族に関する書類の確認も怠らずに行わなくてはなりません。
その3 割増賃金の計算
次にアルバイトの給与計算で要注意な割増賃金についても説明します。
社員に残業させた場合、休日に出勤させた場合、深夜に及んで労働させた場合には、その分だけ割増賃金を払わなくてはなりません。労働基準法では、下記のような割増賃金のルールが定められています。
・時間外労働の割増賃金
1日につき8時間、1週間につき40時間を超えて労働させた時間に対しては、割増賃金を支払う必要があります。
たとえば、1日の労働時間を7時間としている場合に2時間の残業をさせた場合は、最初の1時間にかかる分には割増賃金を支払う必要はありません。残りの1時間の残業に対しては通常の時給に加え、時給×0.25倍の割増賃金を追加で支払う必要があります。
・休日労働(法定休日)の割増賃金
労働基準法では、使用者は労働者に対して1週間に1日以上、4週間に4日以上の休日を与えることが定められています。この法定休日に労働させると休日労働になり、割増賃金を支払わなくてはなりません。法定休日に働かせた場合の割増賃金は、通常の時給に加え、時給×0.35倍の割増賃金を追加で支払う必要があります。ただし、法定休日に8時間以上勤務しても、時間外労働の割増賃金を支払う必要はありません。
・深夜労働の割増賃金
午後10時から翌午前5時までは深夜とされ、この時間帯の労働に対して支払う賃金には割増賃金の支払が必要です。
深夜労働をさせた場合は、通常の賃金に加え、時給×0.25倍の割増賃金を支払う必要があります。
また、深夜に時間外労働をさせた場合の給料は、時間外労働の割増賃金と深夜労働の割増賃金、どちらもの割増賃金を適用して計算する必要があります。
さらに、休日に深夜にまで労働をさせた場合の給料も、休日労働の割増賃金と深夜労働の割増賃金、どちらもの割増賃金を適用して計算する必要があります。
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