令和7年度以降に雇用保険が改正①
パートやアルバイトなどの短時間勤務で働く人たちが、失業給付や育児休業給付などを受け取れるようにするため、雇用保険の適用拡大などが盛り込まれた「雇用保険法等の一部を改正する法律案の概要」が5月10日に可決・成立しました。
ここでは、主な改正点を2回に分けて解説いたします。
【雇用保険の適用拡大】
最も注目されるのが、雇用保険の適用拡大です。
雇用保険の被保険者の要件のうち、『週所定労働時間を20時間以上』から、『10時間以上』に変更されます。※2028年(令和10年)10月1日施行期日
これにより、新たにおよそ500万人が給付を受けられるようになる見通しです。
◆企業側と従業員側でのメリット・デメリット
そもそも雇用保険とは、失業して所得を失ったときや雇用の継続に問題が生じた場合、被保険者の生活の安定を図るための制度です。
では、企業側と従業員側それぞれのメリット・デメリットは何でしょうか。
<企業>
【メリット】
≪給付金の受給≫
企業側は、要件を満たすことで、雇用機会の増大、人材育成、仕事と家庭の両立など様々な助成金を受給できます。
・雇用調整助成金
・労働移動支援助成金
・労働移動支援助成金
・トライアル雇用助成金
※内容詳細は厚生労働省HPをご確認ください。
【デメリット】
企業側の唯一のデメリットは、雇用保険料を一部負担することです。
雇用保険料率は、年度ごとに国が定めており、毎年4月に見直しが行われています。
※令和6年度は据え置き
<従業員>
【メリット】
雇用保険に加入していることで、失業した場合や収入が減った場合、
また在籍中でも条件を満たせば、主に以下の各給付が受けられます。
・基本手当(失業手当)
・雇用就業促進定着手当
・高年齢雇用継続基本給付金
・育児休業給付金
・介護休業給付金
・職業訓練給付金
【デメリット】
雇用保険料が毎月天引きされることです。
但し、雇用保険料は全額負担ではなく、企業側とそれぞれ料率に従って負担する形になっています。
週所定労働時間を「10時間以上」に対象を拡大することにより、新たに雇用保険の被保険者及び受給資格者となる労働者については、求職者支援制度(※)の支援対象から除外しないことが明記されています。
※求職者支援制度
再就職や転職、スキルアップを目指す方が月10万円の生活支援の給付金を受給しながら、無料で職業訓練を受講する制度をいいます。
まとめ
今回の改正では、中小企業に対して影響力が大きい内容となっています。
そのため、施行前に加入対象となる従業員をあらかじめ確認し、施行後すぐに手続きできるよう事前の準備をしっかりと行っていく必要があります。
施行まで少し先ではありますが、企業側も従業員側も概要を把握しておきましょう。
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